歯周病治療

歯周病の原因

歯周病 タバコ

歯周病は細菌による感染症 です。ヒトからヒトへ接触感染していきます。もし、母親が歯周病にかかっていたり、歯周病菌を持っていたりすると、その子供は生まれてから食生活が確立するころには歯周病菌に感染することになります。しかし、ほとんどの場合、その子供が成人するまでは発症することはありません。その理由は、歯周病になり難いとか、なり易いとかいった『遺伝的要因』および喫煙、加齢、ストレスなどの『環境要因』の二つの要因が関わっています。

歯周病の感染は、外部から感染した細菌が口腔に長期間かけて定着し、悪い生活習慣が重なったときに発症します。最初の感染は、特に夫婦間や家族親子間の唾液を介するものと感染が疑われています。現在その細菌は、いくつか特定されています。

遺伝的要因は、遺伝病などのようなはっきりした異常症状として現れるものではなく、歯周病になり易い、あるいは悪くなり易いといった個人個人のもつ遺伝的素因を指して言います。個人の持つ遺伝的素因は数え切れないくらいあります。

環境要因のなかでは、喫煙がもっとも重大な有害物質 とされています。ニコチン、タール、炭酸ガス、シアン化合物などが歯周組織のいろいろの機能を傷害することで歯周病を誘発したり、進行させたりすることがはっきりわかってきています。また、加齢は歯周組織細胞の新陳代謝や感染防御機能を低下させ、ストレスも免疫機能を低下させるので歯周病の発症・進行に影響を与えることもはっきりしています。

歯周病の症状

歯周病の症状

歯周病の進行は、非常にゆっくりしているので、日常の口腔内の変化はなかなか気がつきません。かなり進行した状態でも自覚する症状は少ないのが普通です。多くの場合歯周病になっていることを自覚するのは歯槽骨が吸収して歯が動くのを感じてからです。

 歯周病の臨床症状は、
・ 歯肉の赤味、腫れ、出血
・ 口臭、唾液のネバネバ
・ 歯並びが変化する
・ 歯肉が退縮して、歯の根っこが伸びたように見える
・ 歯肉が急性の化膿性の腫れを繰り返す
・ 歯が動く、歯が抜ける
などで、この変化は進行の程度によってまちまちです。

歯周病になった歯周組織は細菌に対抗するために炎症を起こしています。この炎症をもった歯周組織の内部では、様々な反応が段階的に生じます。
歯周病は、『徐々に歯周組織を破壊していく病気』であり、それに応じて色々な症状があらわれます。

歯周病と全身との関係

全身疾患

歯周病の症状は、歯周病菌に対する免疫系が歯肉部分で過剰反応することで悪化していきます。通常、免疫反応は身体を守るために働くのですが、歯周病細菌が歯肉に刺激を与え続けると、歯周組織のマクロファージやリンパ球が産生するのは酵素類やサイトカイン類などが、局所(歯肉)に蓄積します。これらは、血液中に入っていろいろの全身疾患に悪影響を及ぼします。

局所的に産生された炎症性サイトカインは、歯周組織に対して悪影響を及ぼすだけでなく、血液を介して全身疾患にも負の影響をもたらします。最近の研究では、糖尿病、心臓血管疾患(狭心症、心筋梗塞など)、低体重児出産・早産、肺炎、気管支炎などが歯周病に関連する疾患とされています。また、骨粗しょう症、腎炎、関節炎などへの関連も疑われています。

歯周病の治療法

まず,綿密な診査を行って歯周病の実態をつかみ,原因を明確にし除去していく事が基本です。初診時には,プラークの付着状態,ポケットの深さ,歯槽骨の吸収程度,歯の動揺,歯肉の炎症状態,噛み合せの状態を診査します。それをもとに診査結果,処置内容を具体的にお話し,治療に対し理解と同意が得られた方のみ治療を開始します。
それでは,具体的な治療の進め方を次に示します。

1. 応急処置
必要な場合に行います。歯肉ガ腫れている場合の切開,排膿,かみ合わせの調整,投薬などです。

2. プラーク・コントロール
プラーク除去の大切さをお話し,患者さんのプラーク・コントロールの現状や,口腔内の状況を把握し,患者さんに合ったプラーク・コントロール法を指導します。

3. スケーリング
歯肉縁上の歯石を除去します。

4. 再評価検査
一通り歯肉縁上歯石を取り終えたところで,歯肉がどの程度改善いるか検査します。その結果が良好であれば,歯周治療はメインテナンスに移行します。しかし,予測した効果が得られなかったときは治療法について再検討します。プラーク・コントロールが出来ていない場合,歯石の取り残しがある場合は元に戻って2)3)を行います。歯肉縁下に歯石が存在するため炎症が改善しない場合,SRPを行います。

5. スケーリング・ルートプレーニング(SRP)
局所麻酔を行い,歯肉縁下の歯石を除去します。プラークや歯石によって汚染された病的なセメント質を除去して,歯根の表面を滑沢に仕上げます。

6. 再評価検査
一回目の再評価検査時に良好な結果が得られなかった部位の改善状況を確認します。予測した結果が得られないときは,歯周外科手術を行います。

7. 歯周外科手術
これまでの治療で治りきらなかった部位に対し歯周外科手術を行います。病気の原因が目で確かめられるよう、歯肉を切って歯槽骨からはがし,根の先の方や,根と根の間にこびりついて取れなかった歯石を除去し,滑沢にします。つまり,悪いところを直接目で見て徹底的に取り除くのです。歯周外科手術はこの他にもさまざまな術式があり,症状に応じて使い分けられます。しかし,どんなに新しい治療法を用いても,手遅れの歯周病は治療できません。

8. メインテナンス
歯周病は治療が終わってからが肝心です。せっかく,健康を取り戻したのですから,この状態を維持していくことが大切です。毎日のブラッシングと規則正しい生活,歯科医院による定期検診が必要です。お口の健康をいつまでも保ちましょう。